言われてみれば、おいしさについて「うまい」という表現はほとんど使わないような気がします。おっしゃるように、うまいというのは、食べ物に限らず本来、何かの作者に対する褒め言葉ですよね。ですから、食べ物の美味しさについて述べるときには、文章ではまず間違いなく「おいしい」と書きます。ところが、話し言葉となると、例えば鮨屋とか天婦羅屋のカウンターなどでは、板前さんに向かって「うまいなあ」という事があります。相手の技量に対する褒め言葉ですから、池澤さんの文章を読んで、「うまい(巧い)なあ」と褒めるのと同じ。ただし、鮨屋や天婦羅屋の場合も「うまいなあ」というのはいきつけの店だけであって、初めて行く店とか、滅多にいかない見せなら「これ、おいしいですね」とか「おいしかったですねえ」ということになりそうです。
以上、思ったまま書き連ねました。尤も、どうにか行きつけと呼ぶことのできる鮨屋が一軒あるだけで、天婦羅屋さんは鮨屋からの類推に過ぎませんけれど、、、。
|