月刊誌『すばる』に新連載「異国の客」が始まりました。
異国の客とは、フランスに移り住んだ池澤さん自身のこと。
このタイトルは、ハインラインのSF「異星の客」から想起されたもの。
原題は「異国の客」であり、出典をたどれば聖書にある言葉とか。
タイトルページに添えられたフランス語訳は
un re’fugie' dans un pays etrange'(ここでは、アクサンの代りに’を使ってます)
となっています。
池澤さんの住むことになった家が18世紀に建てられたもの(地下室は16世紀)という記述を読んで、この夏にフランスに行ったときに泊まった二つの建物を思い出しました。
ひとつは18世紀の建物を宿泊施設用に改造したもので、内装は現代風に変えてありますが、石の階段は2世紀間、人に踏まれて磨り減っていました。
1階の扉の高さが2m以上あるのは、馬に乗ったまま中庭に入れるように作られているというのです。
もうひとつの建物はいわゆるパリのアパルトマンですが、その建物のエレベーターは大人が2人乗るのがやっとというほど狭い。なぜなら、エレベーター無しで作られた古い建物に、らせん状の階段の真ん中の空間を利用してエレベーターを後から作ってはめ込んだからです。
そんな暮らしの断片も織り込みながら、基本的には
「ピーター・メイルをもう一人作る必要はない」という宣言どおり、
土地の風物を愛でるためではなく、ここを拠点として世界を見すえる、
そんな滞在記になるのでしょう。
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